歌声
¥1,900 税込
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B6、246頁
表紙:里紙さくら+フルカラー+白一色オンデマンド印刷+箔押し
本文:章扉に色上質若草を使用
「ひとが死んで歌うひとがいなくなっても、
その歌は残るのよ。あとになって、
それがまた声に出されて歌い直されるの。
昔の歌い方とはちがうかもしれないけれど、
それも歌い手や、聴くひとのこころを
打つのでしょう。
そういうことをいましているのよ。」
今回はKindle化の予定はありません。
新益京(藤原京)の時代。没落した渡来系の一族に 生まれた久波(くなみ)は、七人の子どもをすべて失い、困窮していた。 職を求めてやって来た都で、彼女は歴史書編纂のため、 歌と物語を各地で集める仕事を得る。 孫のような歳の奴の青年を従者として、古代国家日本の 栄光と敗北を見つめる旅が始まる。 記紀歌謡・万葉集題材、十三章構成、歴史連作短編集。
第一章 ある史(一) 渡来系に生まれた久波は、子を亡くし、都に出仕する。
第二章 高志の国の女王 越(こし)の国の国つ神、沼河姫への大国主の求婚。
試し読み: https://kakuyomu.jp/works/1177354054890381755
第三章 わが名を呼ばう君 女性として生まれたヤマトタケルの、はげしくうつくしい生と死。
第四章 ある史(二)
第五章 明して通れ 衣通姫(そとおりひめ)とよばれた、王のむすめ・軽は、戦の歌を支えに旅立つ。
第六章 冥き目の武 ヤマトタケルの物語を聞いて育ったワカタケル大王の、殺戮とあがき、一瞬の光。
第七章 ある史(三)
第八章 漕ぎ去にし舟 のちに継体天皇と呼ばれる夫に従いヤマトへ移った目子(めのこ)は、日の光を浴びることのできない大王のむすめ・手白香(たしらか)に出会う。
第九章 真刀を以て 推古天皇の、修羅の相食むような時代。
第十章 ある史(四)
第十一章 錦の紐をときさけて 皇極・斉明天皇の、ささやかな幸福と、晩年の絶望。
第十二章 楽浪 天智天皇に召された額田は、かれの孤独を見つめる。
第十三章 ある史(五)、帝国の詩人 久波は持統上皇とともに吉野に滞在する。柿本人麻呂と三人で語らい、歌をかわす。
第十一~十三章は、おばおねアンソロジー『乞ひぞ募りて』所収の拙作「歌声」が関連作です。お持ちでない方は合わせてどうぞ。https://mshikagami.base.shop/items/85839033
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